クリーブランド ウェッジ評価 RTZと口コミで選ぶ現行比較

クリーブランド ウェッジ評価 RTZと口コミで選ぶ現行比較

バンカーから3球連続でホームランを打ったラウンドがある。使っていたのは56°バウンス8°のウェッジだった。試打もせずGDOの口コミ評価だけを見て買った1本で、評価は4点以上。悪いウェッジではない。問題は、普段ラウンドするコースのバンカー砂が柔らかく、バウンス8°では刃が砂に刺さる入射角だったことだ。

クリーブランドウェッジの現行ラインは今、RTZ・RTX 6 ZIPCORE・RTX FULL-FACE 2・スマートソール FULL-FACE・CVX 2 ZIPCOREの5系統が並立している。 このうちRTZは2025年2月発売で口コミ26件・平均4.6点の高評価だが、他モデルも現役で売られている。どれを選ぶかは「口コミの点数」だけでは決まらない。バウンス・グラインド・ロフト配置の3軸を整理したうえで比較する。


バウンス8°で3連続ホームランになった本当の理由

結論から言う。バウンス選択のミスだ。

バンカーショットはウェッジのソール後部(バウンス)を砂に当て、刃が深く刺さらないまま砂ごとボールを運ぶ技術である。バウンスが小さいほど刃が先に接地しやすく、柔らかい砂では深く刺さる。刺さった刃はボールの手前で止まり、ホームランになる。

クリーブランドRTZは56°にLow(8°)・Mid(10°)・Full(12°)の3バリエーションを用意している。バウンス8°(Low)は硬いコースや薄いライでの使用を前提とした設計だ。柔らかいバンカーには向かない。口コミが高くても、コース環境に合わなければその評価は自分には関係ない。

ここで言いたいのは「RTZを買うな」ではない。バウンス選択を間違えると、どんな高評価モデルも凶器になるということだ。スコア100前後のゴルファーが「なぜかバンカーだけ苦手」と感じるとき、技術より先にクラブの設定を疑ってほしい。


RTX 6・スマートソール・RTZの違いを価格とグラインドで整理する

「クリーブランドはウェッジ専門ブランド」という評判は正しい。同時に、5系統が並立する現行ラインを整理せずに買うのは危険である。

現行ラインを価格帯と対象ゴルファーで比較する。

モデル 対象 設計上の強み 注意点 税込定価
RTZ 中上級 Z-ALLOY素材で余剰重量6gをトウ側に配置。スピン安定性が高い バリエーション16種で番手選びが複雑 24,200円
RTX 6 ZIPCORE 上級者 RTXミーリングでフェース開放時もスピンが均一 打感はRTZよりやや硬め 20,000円前後
RTX FULL-FACE 2 トゥ打ちが多い人 フェース全面に溝を配置。トゥヒットでもスピンが出る ヘッドが大きく見える場合がある 20,000円前後
スマート ソール FULL-FACE 初中級 ワイドソールで浅い入射角でもバンカー脱出しやすい RTX系と比べスピン量に差がある 15,000円前後
CVX 2 ZIPCORE 初中級 ZIPCOREで軽量化。ボールが上がりやすく飛距離が出やすい スピンコントロールには限界がある 14,000円前後

迷ったらRTZを選ぶ根拠がある。新素材「Z-ALLOY」は混合・溶解・精錬のシミュレーションを繰り返して開発された合金で、ヘッドの余剰重量6gを創出している。従来のウェッジはネック部が重く、重心がヒール寄りに偏りやすかった。RTZはZIPCORE(軽比重セラミックピン)との組み合わせでこれを解消し、重心を打点に近い位置に移動させた。GDOの試打レビューでも「芯を外したときの距離のバラツキが小さい」という評価が複数ある。HS38〜45m/s帯のアマチュアには、この設計が実戦で効く。

RTX 6 ZIPCOREはフェース面に施されたRTXミーリング(同心円状加工)が強みだ。フェースをどの角度に開いても安定したスピンを生む設計で、50ヤード以内でフェースを開くアプローチを多用する上級者に向いている。ただし「まずスクエアに当てることを優先したい」という中級者なら、RTZのほうが扱いやすいと判断する。

他ブランドと横断比較をしたいなら、Vice Golf VGW 02が示すウェッジ選びの新基準も参照してほしい。設計哲学が異なる1本と対照することで、クリーブランドのトウ重心設計の意味が具体的に見えてくる。

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ロフト・バウンス早見表とグラインド別の使い分け

ロフト・バウンス・グラインドはセットで考える。1軸だけ変えても機能しない。

RTZシリーズ ロフト・バウンス早見表

ロフト バウンス グラインド 主な用途・向くライ
46〜50° 10° Mid フェアウェイの中間距離ショット全般
52° 10° Mid 70〜90ヤードのコントロールショット
54° Low 硬いコース・タイトなフェアウェイ
54° 10° Mid 標準的な芝質でオールラウンドに使う
56° Low 薄いライ・コンパクトスイング向き
56° 10° Mid 汎用性が最も高い。迷ったらここ
56° 12° Full バンカー・深いラフ・フェースを開く場面
58° Low ダウンブロー傾向・超タイトライ
58° 10° Mid 50ヤード以内の距離コントロール
60° 8〜10° Mid ロブショット・高い球が必要な場面

グラインド別おすすめシーン

  • Low(6〜8°): 夏の硬い高麗芝、シャロー軌道のスイング。刃が芝に入りやすいが、柔らかいバンカー砂には不向きだ
  • Mid(10°): 関東・関西のベント〜高麗芝に対応できる汎用グラインド。入射角35〜45°の標準的なスイングに合う
  • Full(12°): 柔らかいバンカー砂、梅雨明け後の深ラフ。ソール接地面が広いため芝に刺さりにくく、アウトサイドイン気味の軌道でも安定する

バンカーから脱出できないゴルファーの多くが、Lowバウンスを使っている。工房で積み重ねてきた実感だ。56°や58°をMid(10°)以上に変えるだけで、バンカー脱出率が体感レベルで改善するケースは珍しくない。道具の設定ミスが、技術の問題に見えているパターンが多い。まず設定から直すこと。


RTZを選ぶ前に確認すべきロフト構成の前提

ロフト構成の失敗は購入後に気づく。代表的なパターンは3つだ。

  • 手持ちアイアンのPWと近いロフトのウェッジを追加購入し、飛距離が被った(例:PW46°に対し48°を入れてしまう)
  • Fullバウンス(12°)を選んだが普段のコースが硬く、フェアウェイでソールが弾かれた
  • RTX 6をすでに持っているのに同一ロフトのRTZを追加し、何が変わったかわからない状態になった

推奨構成は「52° Mid + 56° Mid + 60° Mid」か「50° Mid + 54° Low + 58° Full」の3本組みだ。 ロフト差を4〜6°で確保し、バウンスはコースの芝質で決める。この原則を守れば、モデル選びの優先順位はおのずと絞られる。

RTZの定価24,200円に対し、RTX ZIPCOREの旧世代中古は8,000〜12,000円台で流通している。性能差を感じながら予算を抑えたいなら現実的な選択肢だ。ウェッジ選びをさらに深掘りしたいなら、ボーケイSM11の3種仕上げとロフト選びのポイントも参照してほしい。ライバルブランドの設計思想と対照することで、RTZのトウ重心設計の意味がより明確になる。


向く人・向かない人をロフト構成と使用シーンで判断する

RTZが合う人の条件は明確だ。

RTZが向く人 - バウンスとグラインドを自分で選べる中上級者(スコア85〜100前後) - フルショットよりも50ヤード以内のコントロールを優先したいゴルファー - 「打感の柔らかさとスピン安定性を両立させたい」と感じているRTX 4〜6ユーザー

RTZが向かない人 - ウェッジのバウンス・グラインドをまだ使い分けたことがない初級者。16バリエーションは選択肢が多すぎる - スマートソール系の「広いソールで脱出優先」という割り切りが合っているバンカー苦手層 - 予算12,000円以内で収めたい人。この価格帯ではCVX 2 ZIPCOREかRTX旧モデルの中古が現実解だ

RTZのGDOユーザー評価4.6点は信頼できる数字である。ただし、その評価者の多くはバウンスとグラインドを意識して選んでいる中上級者だ。設定を誤ると点数の高さは自分には関係ない。2026年5月時点での現行最上位モデルとしての完成度は高い。問題は道具より設定にある。


次のラウンドまでに1つだけ決めること

モデル名より先に「バウンス角を何度にするか」を決めろ。

コースが硬い → Low(8°)。コースが普通 → Mid(10°)。バンカーが多い → Full(12°)かMid(10°)。

この基準が固まれば、RTZかRTX 6かという選択は「予算と打感の好み」の話に収束する。試打の機会があれば56° Midを5球打て。アドレス時の構えやすさと、薄く入ったときの打感で判断の7割は出る。バウンスの正解は打感ではなく、次のラウンドでのソールの抜け方で確認する。ウェッジはアドレスの瞬間に心が決まるクラブだ。1本選ぶ前に、道具と自分の間の対話を済ませておくこと。


参照元

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