ゴルフ肘の痛み 原因と治し方 今日からできるセルフケアと対処
ゴルフ肘の痛み まず状況を整理する
ダウンスイングの瞬間、肘の内側にズキッとした痛みが走る。素振りは大丈夫なのに、ボールを打つと鈍痛が残る。先日、月2回ペースでラウンドを続ける40代の生徒が「右肘の内側が2ヶ月ほど痛い」と相談してきた。打てなくはないが、怖くて本気のスイングができないという状態だった。
ゴルフ肘(医学名:上腕骨内側上顆炎)は、肘の内側にある骨の出っ張り「上腕骨内側上顆」に付着する腱が炎症を起こした状態だ。前腕屈筋群という手首・指を曲げる筋肉群の腱がこの部位に集中しており、スイングやグリップ動作の繰り返しで小さな損傷が蓄積する。
主な症状は以下の4つ。
- 肘の内側のズキズキした痛みと圧痛(前腕全体に広がることもある)
- 握力の低下(ペットボトルのふたが開けにくい、クラブが抜けそうになる)
- 手首を内側に曲げる・握りこぶしをつくる動作で痛みが増す
- 薬指・小指のしびれやチクチク感(近傍を走る尺骨神経への影響)
利き腕に出やすく、繰り返しの動作で悪化する。放置して自然に治ることはほとんどない。「しばらく休めば治る」という判断が、回復を数ヶ月単位で遅らせる入り口になる。
ゴルフ肘でよくある3つの誤解
「ゴルフをする人だけがなる」という思い込みが、対処を遅らせる第一の誤解だ。実際はスマホの長時間使用・在宅ワーク・家事(布巾を絞る、包丁を長時間使うなど)でも同じ部位に炎症が起きる。近年は女性のゴルフ肘が増えているが、その多くはゴルフ未経験者である。
第二の誤解は「テニス肘と同じ場所が痛い」という混同。テニス肘(外側上顆炎)は肘の外側、ゴルフ肘(内側上顆炎)は肘の内側。場所が違えばケアの方向も変わる。外側か内側かを正確に把握することが、最初の判断軸だ。
第三の誤解が「スイングを修正すれば炎症は治まる」という過信。フォームの問題が根本原因である場合もある。ただし、炎症が残っている状態でスイング練習を続けると症状は悪化する一方だ。治療が先、フォーム修正は後。この順番は絶対に守ること。
40歳以上・肥満・喫煙習慣がある人はリスクが高い。2時間以上の反復動作(練習場での連続打ち・長時間のタイピング)も発症の引き金になる。
ゴルフ肘の疑問に答える
Q: ゴルフ肘かどうか、自分で確認できる?
A: 以下の4点のセルフチェックで確認できる。①スイング・投球動作で肘の内側が痛い、②肘の内側の骨を指で押すと痛い、③手のひら側に手首を曲げて力を入れると痛い、④物をつかむと力が入らない。1つでも当てはまるなら要注意だ。
医療機関での診察では圧痛の確認が基本で、症状によってはレントゲンやMRIで画像診断を行う。しびれが強い・腫れと熱感がある・激痛で日常生活に支障が出ている場合は、セルフケアではなく整形外科への受診を優先すること。
Q: 応急処置は何をすればいい?
A: 基本はRICE処置だ。Rest(安静)・Ice(アイシング)・Compression(圧迫)・Elevation(挙上)の4つ。急性期の炎症には、まず患部を冷やすことが先決。1日2〜3回・15分程度のアイシングが目安になる。
市販のイブプロフェンなどのNSAIDs(非ステロイド性消炎鎮痛薬)は痛みの緩和に有効だが、持病がある場合や症状が2週間以上続く場合は医師の指示を仰ぐこと。
練習後には、肘のサポーターやエルボーバンドで内側上顆周辺を圧迫・保護するのが有効だ。前腕への負荷を分散させて腱の付着部への刺激を軽減できる。素材と圧迫力の違いで使用感が大きく変わるため、試着して選ぶのが理想だ。
Q: 効果的なストレッチとセルフケアのやり方は?
A: 急性期(痛みが強い時期)が落ち着いてきたら、前腕屈筋群のストレッチを開始する。手順は以下のとおりだ。
- 手のひらを上に向けて腕を前方に伸ばす
- もう片方の手で指先を「下側」(背屈方向)にゆっくり引っ張る
- 肘の内側が軽く伸びる感覚を保ちながら20〜30秒キープ
- 1日3〜5セット。痛みが出たら即中止
「気持ちいい範囲」の感覚が正解。強く引っ張るほど効果が出ると思いがちだが、それは炎症を再燃させる。スイングは呼吸と同じで、無理に力を加えると逆効果になる。
前腕のストレッチ器具を使うと角度・負荷を一定に保ちやすく、過負荷を防ぎやすい。毎朝の習慣として取り入れると、慢性化の予防にもつながる。
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名門コースを体験する(入会金0円)Q: いつゴルフを再開できる? 判断の目安は?
A: 安静期間の目安はおよそ4〜6週間。「痛みがゼロになったから明日打とう」は再発の王道コースだ。痛みが消えても、筋肉・腱の柔軟性が戻っていない段階では再発リスクが高い。
再開の際はアイアンの打ちっ放し30球程度からスタートし、翌日の状態を確認しながら段階的に増やす。このとき、インパクト時に手首を無理に返す動作(いわゆるフリッピング)は内側上顆への負荷を集中させるため禁物だ。インパクトゾーンでの体の正しい使い方を身につけることが、再発リスクを下げる根本策になる。
ゴルフ肘の改善ステップ 今日からできること
Q&Aを踏まえて、行動の優先順位を整理する。
- 今日の練習をやめる:痛みが出ている間は安静が最優先。ここを妥協しない。
- アイシングを1日2〜3回行う:15分を目安に患部を冷やす。
- 肘のサポーターを装着して日常生活を送る:安静と保護を両立させることで回復が早まる。
- 急性期を過ぎたらストレッチを開始:前腕屈筋群のストレッチを1日3〜5セット。痛みが出たら即中断。
- 4〜6週間後に段階的にスイングを再開:翌日の状態で負荷量を調整する。
痛みが消えてからが本当の勝負だ。「治った気がする」段階でのフルスイングが、再発のもっとも多い原因である。
こういう人は整骨院・整形外科を先に
セルフケアだけで対処しないほうがいいケースがある。
- しびれが強く、薬指・小指が動かしにくい(尺骨神経の障害が疑われる)
- 2〜3ヶ月間ケアを続けても改善しない
- 肘が腫れて熱を持っている
- 激痛で日常生活に支障が出ている
上記に当てはまる場合は、ステロイド注射・体外衝撃波療法(ESWT)・手術など専門的治療の対象になる可能性がある。早めに整形外科を受診すること。
また、ゴルフ肘を繰り返す人はスイングに根本的な問題を抱えているケースが多い。ダウンスイングからインパクトにかけての手首の使い方を一度プロに診てもらうことを勧める。アドレス距離の設定からグリップ負荷を見直す方法も、再発予防の観点で参考になる。
最初の一歩は「今日打つのをやめる」こと
ゴルフ肘は放置するほど治療期間が延びる。逆に言えば、早期に対処すれば4〜6週間でコースに戻れる障害でもある。
2026年時点で整骨院・整形外科でのゴルフ肘の認知は高く、「スイング時に肘の内側が痛い」と説明するだけで適切な診察が受けられる。
肘が痛いままのスイングはフォームの代償動作を引き起こし、肩・手首・腰へのダメージが連鎖する。痛みを「慣れ」で乗り越えようとするのが、最も避けるべき選択だ。今日の最善手は「打つのをやめること」。それが最速のコース復帰につながる。
参照元
- ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)とは?|腕の内側の痛みを ... | ザムスト
- 費用と治療期間まで解説! 痛みが出たら要注意「ゴルフ肘」とは? | smile-39.com




