レディゴルフで早く打つ準備 ティからグリーンで使う動き方
「後ろの組が見えてきた」——そのプレッシャーで打ち急いでダブルボギーになる。そんな経験をしたゴルファーほど、レディゴルフを正しく理解していないことが多い。レディゴルフとは、準備ができた人が打順にこだわらず先に打てる進行方法のことだ。R&Aルール規則6.4aで正式に認められており、マナー違反ではなくむしろ推奨される行動である。
問題は「早く打たなければ」という焦りではなく、「ボールそばに着いてから考え始める」習慣にある。この記事ではティーイングエリアからグリーンまで、場面別の準備と声かけのマナーを実践的に整理する。
自分の準備が遅い原因 「考えながら歩く」から脱する
カートを降りて、ボールのそばに着いて、そこから距離を測り始める。クラブを選んでアドレスに入るまで1〜2分かかる。これがコースで最もよく見る「進行が遅くなるパターン」だ。
原因は歩いている時間を何も考えずに使っていること。カートからボールまでの30秒〜1分は「考える時間」として使える。残り距離の確認、ライの確認、候補クラブを2本に絞り込む。これを歩きながら終わらせてしまうと、ボールそばに着いた瞬間にはほぼ選択が終わっている。
スポーツナビのゴルフコラム(2023年)でも指摘されている通り、「カートから何も持たずにボールを確認しに行き、クラブを取りにカートへ戻る動き」は後ろから見て最も素人っぽく見える動きの筆頭だ。防ぐ方法はシンプルである。カートを降りるときに候補クラブを2〜3本まとめて持ち出すこと。往復が1回なくなるだけで、同組全体のリズムは確実に変わる。
グリーン100ヤード以内ならウェッジ数本とパターを手に持って先行できる。「カートをお願いします」と一言添えれば、カートの移動を待たずにプレーを続けられる。この動作だけで1ホールあたり1〜2分の短縮になる。
「早く打つ」と「打ち急ぐ」は根本的に違う
「レディゴルフを使うと焦って打ってしまう」という声をよく聞く。だが、慌てて打つことと、準備が終わった状態で打つことは全く別の話だ。
打ち急ぐとは、考えがまとまっていないのにアドレスに入ること。スコアを乱す最大の原因であり、レディゴルフとは無関係だ。プレーファストの本質は「アドレスに入るときにはすでに考えが終わっている状態を作ること」であり、走ることでも急ぐことでもない。
もう一つの誤解が「自分は打つのが速い」という自己評価だ。ショット自体が速くても、カートへの往復やグリーンでのライン読みが遅ければ全体のペースは崩れる。スロープレーは打つ速さではなく、「準備のタイミング」で決まる。動線を変えること。それがすべての出発点だ。
レディゴルフの準備とマナー よくある疑問に答える
Q: レディゴルフはルール上本当に認められているのか?
A: 認められている。R&Aのゴルフ規則6.4aに基づき、準備ができた人から打つことは正式に認められた進行方法だ。2019年のルール改正で導入され、2026年現在も有効である。競技ラウンド(公式ストロークプレーなど)でオナーが明示されている場合は除くが、一般的なラウンドでは積極的に活用できる。初めて一緒にラウンドする相手には「レディゴルフで進めましょう」と1番ホール前に確認を取るだけで、後のストレスがなくなる。ルール上の権利であり、全員が前提を共有した上で動くことが大切だ。
Q: ティーイングエリアとフェアウェイでの準備はいつ・何をすればいいか?
A: ティーイングエリアでは、前の組がグリーンを外れたタイミングで番手を決めておく。自分の打順が来る前にティーアップを完了させ、アドレスに入るだけの状態にしておくのが理想だ。フェアウェイではカートを降りる前に候補クラブ2本を手に持つのが基本動作。歩きながら距離計で確認し、ボールそばに着いたときにはクラブが決まっている状態を作る。ボールそばでの準備時間の目安は40秒以内。これを超えるようなら「準備のタイミング」を前倒しにする余地がある。
距離測定の精度が上がると、クラブ選択の迷いが減り、準備にかかる時間も自然に短くなる。レーザー距離計やGPSナビは、プレーファストの習慣を支える道具として実用性が高い。
Q: グリーン上でのレディゴルフはどう使うか?
A: 基本は「ラインが交差しない限り、準備できた人からパットに入る」だ。2019年のルール改正でグリーン上のピンは立てたままパットできるようになった。ピンを抜く・刺すという動作が不要になり、順次パットに入れる。同じラインや逆方向のラインが交差する場合は「先に打っていいですか」の一言を添えれば問題ない。カップインしたら次のティーへの移動を最優先にして、スコア記録はカートに戻ってから行うこと。グリーン上で雑談を挟むと1ホールで2〜3分のロスが積み重なる。
自宅でのパッティング練習を取り入れると、グリーン上の確認時間が短縮でき、ラインを読む精度そのものも上がりやすい。
自宅でパッティングを磨く専門ブランド。距離感が確実に変わる
パッティング専門ブランド【PuttOUT】Q: 安全確認と声かけはどう扱うか?
A: 安全確認はプレーファストより常に優先する。前の組との距離が150ヤード以内の場合は、いかに準備が整っていても打ってはいけない。レディゴルフは進行を効率化するルールであり、安全を省略する理由にはならない。同組への声かけは「先に打ちます」の一言で十分だ。逆に準備ができていないときに「先に打っていいですよ」と言われたら、「もう少し待ってください」と返せばいい。準備が整っていれば打つ。整っていなければ待つ。 この原則を守れば、焦ることも迷惑をかけることもない。
次のラウンドで試す ティ・フェアウェイ・グリーン別の動き
Q&Aで整理した内容を行動に落とし込む。前半9ホールで意識する5つの動きを場面別にまとめた。
- ティーイングエリア: 前の組がグリーンを外れたら番手を決め、打順前にティーアップを完了させる
- フェアウェイ移動中: カートを降りる前に候補クラブ2〜3本を手に持ち、歩きながら距離を確認する
- グリーン100ヤード以内: ウェッジとパターを持って先行し、「カートをお願いします」と声をかける
- グリーン上: 他の人がパット中に自分のラインを確認し、ピンを立てたままパット
- カップイン後: 即移動。スコア記録はカートに戻ってから行う
ボール捜索は最大3分以内。見つかりそうにない場合は暫定球を宣言してから探すことで、「捜しながら後ろを詰まらせる」状況を防げる。これが習慣になると、コース上の判断が格段に速くなる。
レディゴルフをまだ意識しなくていいケース
レディゴルフが全員に向くわけではない。次の状況では無理に使わなくていい。
- 競技ラウンドや公式ストロークプレー(打順のルールが優先される)
- 同組が知らない・合意していない(1番ホール前に確認を取ってから使う)
- コース不慣れで安全確認に自信がない(前の組との距離を把握できていないなら待つ)
- 体調不良や怪我がある(先行して転倒するリスクのほうが問題になる)
「準備できたら打つ」は義務ではなく権利だ。仕組みを理解した上で、使える場面で使えばいい。ゴルフ初心者が2時間でデビューできる実践的な始め方でも解説している通り、コースでの基本動作を身につけると、判断のスピードが自然と上がっていく。
準備のタイミングを変えるだけで、ゴルフは静かに速くなる
慌てる必要はない。走らなくていい。「ボールそばに着いたときに考えが終わっている状態を歩きながら作ること」。それがプレーファストの実態だ。
次のラウンドで試す一つの行動を選ぶなら「カートを降りるときにクラブを3本持つ」だ。それだけで同組のリズムは変わる。進行がスムーズになると打つことへの集中が増す。ショット精度を上げたいなら、手首のコックリリースをドアノック感覚で体得する方法も合わせて確認してほしい。1番ホールのカートを降りる瞬間から、今すぐ変えられる。
参照元
- 一番のゴルフマナー!プレイファストのススメ | スポーツナビ




