スリクソン ZX5 MkII 旧ZX5との違いと買い替え判断

スリクソン ZX5 MkII 旧ZX5との違いと買い替え判断

「芯で叩いたはずなのに、グリーンに届かなかった」。ZX5を3〜4年使い続けたゴルファーが一度は感じる疑問だ。原因がスイングにある場合も多いが、旧モデルの設計上の特性が壁になっているケースもある。ZX5 MkIIへの乗り換えを判断する前に、何が変わったのかを整理しておく。


ZX5ユーザーが「ミスの落ち幅」に悩み始める理由

ZX5はもともと飛距離と操作性を両立させた設計だ。芯に当てれば申し分ない弾道が出る。問題は、芯を少し外したときにある。

HS40 m/s前後のゴルファーがフェアウェイから7番アイアンを打つとき、トゥ寄りにわずかにズレると距離が目に見えて落ちる。これは欠陥ではなく設計上の特性だ。ZX5は「しっかり打てれば飛ぶ」コンセプトであり、ミス寛容性を最優先に設計したモデルではなかった。

HS38〜42 m/s帯のゴルファーが3〜4年使い続けると、この特性が気になり始める。スコアが90台後半で止まっている原因を道具に求めたとき、ZX5の芯外し時の落ち幅は一つの候補として挙がる。MkIIへの変更はこの問題へのスリクソンの回答である。


スペック表と口コミだけではMkII選びに失敗する

「MkIIは旧より飛ぶ」という情報を目にする。事実だが、条件がある。

フェース初速の向上はMAINFRAME Mk II(フェース裏面CNC加工の刷新)によるものだ。この恩恵が出やすいのはHS38〜43 m/s帯、フェース中央から少しズレた位置で打つ機会が多いゴルファーである。HS45以上で芯付近を常に叩けるなら、旧ZX5との体感差は小さくなる。

試打経験者の口コミを整理すると、こんな傾向が見えてくる。

  • 「MkIIは旧より球が高くなりすぎた。中弾道で攻めたい自分には合わなかった」
  • 「ZX5の方が打感がシャープだった。MkIIはやや重みのある感触に変わっている」
  • 「HS40 m/s前後で打ち比べると、フェース外周に当たったときの距離ロスが明らかに違う」

打球音も変化している。旧ZX5の乾いた「カッ」という感触に対し、MkIIはやや低めの重みのある打感になったという声が複数ある。

自分が今のZX5のどこに不満があるかを先に特定することが肝心だ。不満の原因が分からないまま買い替えると、MkIIに変えても同じ不満が出る可能性が高い。


ZX5とZX5 MkIIの変更点を3軸で比較する

フェース設計・やさしさ・重心位置という3軸で、旧ZX5とMkIIを並べた。

比較軸 ZX5(旧モデル) ZX5 MkII
フェース設計 MAINFRAME(第一世代) MAINFRAME Mk II(CNC加工範囲を拡大・刷新)
芯外しのやさしさ 中程度 向上(トゥ・ヒール方向のロスが改善)
重心の深さ傾向 やや浅め(操作性寄り) やや深め(安定性・高弾道寄り)
弾道の高さ 中弾道 やや高め
向くゴルファー像 HS40〜45 / 操作性・球筋コントロール重視 HS38〜44 / 直進安定・ミス許容重視

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スペック数値(重量・ロフト・シャフト)の詳細はメーカー公式サイトで確認のこと。この表は設計コンセプトの変化に絞っている。

MkIIの核心はフェース外周部の初速底上げだ。 旧ZX5では「スカッと抜けて飛ばない感覚」があった打点が、MkIIでは「多少ズレても乗ってくれる感触」に変わっている。7番アイアンでトゥ寄りに当たったとき、旧ZX5なら距離が大きく落ちる打点でも、MkIIはボールが粘って前に出る。この差が試打で体感できるかどうかが、買い替えの分岐点になる。

重心が深くなったことで弾道が上がりやすく、特にショートアイアン(8番・9番)の高さと止まりやすさが改善されている。一方でロングアイアン(5番・6番)は球が高くなりすぎる感触を覚える人もいる。全番手を打ち比べることが理想だ。

ZX5 MkIIはスリクソン契約プロが実戦で使用し、ツアー優勝実績を積み重ねた設計を持つ。ただし、プロレベルの再現性を持たないアマチュアゴルファーが同じ恩恵を受けるためには、自分のHSと球筋傾向がこの設計と合致しているかを確認することが前提になる。


HS別・ハンデ別で見るZX5 MkII買い替え判断

HS38〜41 m/s(スコア95〜105前後)なら、MkIIへの変更は優先度が高い。旧ZX5では拾いきれなかったミスがMkIIなら救われるケースが増える。高い弾道と直進安定性の組み合わせが、この帯域では実質的なスコア貢献になる。

HS42〜44 m/s(ハンデ12〜20前後)は、どちらも使いこなせる帯域だ。「フェードとドローを打ち分けたい」という場合、旧ZX5の操作性が馴染む可能性がある。MkIIは直進性が強いぶん、意図的な球筋のバリエーションが出しにくくなっている。

HS45 m/s以上(ハンデ一桁〜上級者)なら、ZX5シリーズの「やさしさ」設計が余る。ZX7 MkIIか、現行のZXiシリーズが候補になる局面だ。 ZXiシリーズ(2024年登場)はi-FORGED(鍛造工法)とコンデンス鍛造を組み合わせ、打感と初速が改めて底上げされた設計である。ZXi5は飛距離・操作性・やさしさのバランス、ZXi7は操作性と打感の追求というコンセプトで、HS層に応じた選択肢が広がっている。

新品購入を前提に考えるなら、ZXi5と中古のZX5 MkIIを価格差込みで比較することを勧める。2026年6月時点で中古のZX5 MkIIは市場に出回っており、コスパという観点では有力な選択肢だ。旧ZX5を手放すタイミングとして、ZXiへの世代交代が進む今は買い取り需要がある時期でもある。


MkIIを選んで後悔しやすいパターン

以下のいずれかに当てはまるなら、買い替えを急がない方がいい。

  • 今のZX5でミスのリカバリーに特に不満がない
  • 球筋のコントロールを最優先にしており、操作性を手放したくない
  • HS45 m/s以上で、ZX5 MkIIの寛容性設計が余ってしまう
  • 旧ZX5の乾いた打球音・フィーリングが気に入っている(MkIIは打感が変化する)
  • 同じ予算でZXi5の中古を検討できる

後悔する人の典型は「新しいから」という理由だけで旧モデルを手放したケースだ。MkIIの「やさしさ」は特定のゴルファー像に向けて設計されており、全員に機能するわけではない。

打感にこだわる上級者なら、軟鉄鍛造アイアンの打感そのものを先に理解しておく必要がある。神谷そらも惚れた軟鉄アイアンの実力では、鍛造アイアンの打感・操作性・球筋の関係を詳しく解説している。ZX5 MkIIのキャビティ設計との打感の違いを把握しておくと、選択の基準が明確になる。


試打一球で判断を終わらせる

MkIIが向くかどうかの答えは、試打室の7番アイアン一本で出せる。フェース先端(トゥ側)に意図的に当ててみること。旧ZX5との距離ロスの差が体感できれば、それがMkIIを選ぶ理由になる。

逆に差を感じなければ、急ぐ必要はない。クラブへの不満が道具ではなくスイングにある場合は多い。試打一球で差を確認してから決断する。それが後悔しない買い替えの手順だ。

近くのゴルフショップで試打機を借り、7番アイアンをトゥ寄りに10球打つ。旧ZX5との距離のばらつきが明らかに小さければ、買い替えの答えは出ている。


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