ANTIDOTE SB5
結論
ANTIDOTE SB5は、ゼロトルク(フェースがねじれにくい構造)設計を採用したコンパクトマレット型(ヘッド後方がふっくらと丸みを帯びた形状)のパターだ。柔らかく確かな打感でロングパットへの自信につながったという評価がある一方、丸みを帯びた小型マレットの輪郭自体が合わないテスターもいる。形状の好みで評価が割れる一本だ。
ラインナップの中ではブレード型SB1と大型マレットSB2/SB3の中間に位置する。伝統的な見た目を残しつつゼロトルクを試したい人向けの選択肢である。
総合評価
ANTIDOTE SB5は303ステンレスを削り出した「F.I.T.フェースミーリング(フェース表面を精密に削る加工)」を採用したコンパクトマレット型パターだ。シャフト軸とヘッド重心を一致させる「シンプリーバランス」ゼロトルク設計により、ストロークが多少ぶれてもフェースがスクエアに戻りやすい。フロントとリアのミーリングが一体化した仕上げは「見事」と評されている。
打感の評価は分かれる。あるテスターは、あらゆる距離で「非常に柔らかく確か」な打感を得て、ロングパットへの恐怖心が消えたと述べている。積極的なパッティングにつながったという評価だ。一方、別のテスターは丸みのある小型マレットが自分の鬼門だと明言し、SB5ではうまく打てなかったと振り返っている。同じヘッドでも、ストロークタイプや好みの形状次第で印象が大きく変わる。
各メディアの試打レビュー統合
複数の試打レビューを重ねると、SB5の評価は見た目・安定性・打感の三つの軸に整理できる。見た目については、フロントとリアのミーリングがシームレスに繋がり、アドレス時の一体感が高いという声が目立つ。トップラインとフランジに配置された三本のサイトライン(構える際に狙いを定める線)も、コンパクトなマレット形状にしては機能すると評価されている。
ストロークの安定性は、ゼロトルク構造の効果が具体的に語られている部分だ。トウ寄り・ヒール寄りにややずれて当たっても、フェースがねじれにくく球筋が保たれやすい。ヒール寄りのミスは柔らかい感覚のまま真っ直ぐ残りやすく、トゥ寄りのミスはやや強い振動として手に伝わるという。ミスの出やすい方向はテスターによって左右に分かれており、個体差というよりストローク軌道の違いが表れた結果だろう。
打感と距離感の評価は一枚岩ではない。SB3との比較では、SB5の方があらゆる距離で柔らかく確かな打感だったという指摘がある。距離感の良さを評価する声がある一方、パフォーマンス自体には満足しつつ感触には失望したと述べるレビューもある。打感は数値化しづらい領域だ。試打での確認が欠かせない。
向いている人 / 向かない人
向いているのは、ゼロトルク設計を試したいが、SB2やSB3のような大型ファング(翼のように左右に張り出した形状)のマレットまでは好まない人だ。ブレード(薄型で伝統的な形状のヘッド)に近い落ち着いた見た目を保ちながら、フェースの安定性だけを底上げしたいゴルファーに合う。
アークを描くストローク、つまりヘッドが軌道の内側を通るタイプとの相性もよい。ストレートストロークに固執しない人ほど、この構造を活かしやすい。
向かないのは、丸みを帯びた小型マレットの輪郭そのものに違和感を覚える人だ。「自分にとって鬼門」と言い切ったテスターもいる。ヘッド形状の好みは数値では測れない。構えたときに違和感がないか、必ず自分の目で確認してほしい。
スペック✓ メーカー公式照合済
| 発売年 | 2026年 |
|---|
数値の意味(あなたへの影響)
| 項目 | 傾向 |
|---|---|
| 打感 | 柔らかくクリック感のある当たり(感じ方の個人差が大きい) |
| 方向性のばらつき | トウ/ヒール寄りのミスでもフェースがねじれにくく安定 |
| ミスの出方 | ヒール寄りは柔らかく直進、トゥ寄りは振動がやや強い |
| 寛容性の系統 | 大型マレット(SB2/SB3)ほどではないが、ブレードより安定志向 |
HS38-45m/s帯の読者にとって重要なのは、スピン量やキャリーではなく、ミスヒット時にフェースがどれだけ保たれるかだ。SB5はゼロトルク構造により、トウ・ヒール寄りの当たりでも方向性が大きく崩れにくい。練習量が限られていても、ストロークのブレをヘッドが吸収してくれる恩恵は大きい。
ただし打感の柔らかさをどう感じるかは人による。構えてみて、当たった瞬間の詰まった「カッ」ではなく、詰まりのない「コトン」とした感触が好みに合うか、自分の手で確かめるといい。
歴代・競合の位置づけ
ベティナルディのANTIDOTEシリーズは、ブレード型のSB1からファング形状の大型マレットSB3まで、幅広いストロークタイプに対応するラインナップとして構成されている。海外ではSB2のような大型マレットが特に支持を集め、日本ではブレードのSB1を好む層が厚いと紹介されている。SB5はその中間、コンパクトマレットという立ち位置だ。
SB3と並べると輪郭がよく分かる。SB3はファングとサイトラインでターゲットへの構えやすさを重視した設計だ。SB5はよりコンパクトにまとめつつ、同じゼロトルク構造でスタビリティを確保している。系統としてはSB1に近い落ち着いたシルエットに、マレット系の安定性を足した中間モデルと捉えるとわかりやすい。
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よくある質問
SB5はどんなゴルファーに向いている?
位置づけとしてはコンパクトマレットで、ゼロトルク構造を試したいが丸みの強いマレット形状より伝統的なシルエットを好む人向けとされる。反面、小型で丸みのあるマレットの見た目や構え感自体が苦手なタイプには合わない可能性がレビューで指摘されている。
弾道やつかまりにはどんな傾向がある?
アークを描くストロークと相性が良く、伝統的なブレード型よりわずかに回転がかかりやすい。フェースミーリングの効果でボールの転がりだしが滑らかという感想がある一方、ミスヒットはヒール側が柔らかく残りやすく、トゥ寄りは振動がやや強めで右に外れる傾向が出たとのレビューもある。
同シリーズのSB1やSB3、他モデルとはどう違う?
ブレード型のSB1は構えやすさと繊細なタッチが特徴とされ、マレット寄りのSB2・SB3・SB5は慣性モーメントの大きさによる直進性と安心感が持ち味という対比で語られている。同じマレット系のSB3と比べると、SB5はあらゆる距離で柔らかく確かな打感という評価がある一方、打感そのものには物足りなさを感じたという声も併存する。
寛容性やスクエア性は実際どの程度効く?
シャフト軸とヘッド重心を一致させたゼロトルク設計により、ストローク軌道が多少ぶれてもフェースがスクエアを保ちやすい方向に働くとされる。ただしこの恩恵は、打ち手がフェースを手で操作せずストロークに委ねられることが前提になっている点は押さえておきたい。
中古で購入する際に確認すべき点は?
シャフトが純正のスチールか交換品かどうか、フレックスが自分のストロークに合っているか、ヘッドカバーなど付属品が揃っているかをまず見ておく。ゼロトルク特性はシャフト取り付け位置とヘッド重心のバランスで成り立つ設計なので、社外シャフトへの交換歴がある個体は本来の挙動と変わっている可能性も考慮した方がよい。
シャフトやセッティングはどう考えればいい?
標準仕様はゼロトルク特性を発揮させるため、シャフトの取り付け位置をヘッド重心に合わせて設計してある。ソール幅や首の形状は好みが分かれやすく、水平に振らないストロークだと幅広ソールをやりづらく感じたという声もあるため、購入前に構えた際のしっくり感を試打で確かめておくと失敗が少ない。
購入タイミング・型落ち
SB5は現行モデルだ。型落ちによる値引きが期待できる段階ではなく、今は形状とストロークの相性を見極める時期にあたる。
ブレード型のSB1、大型マレットのSB2/SB3、そしてコンパクトマレットのSB5。同じゼロトルク構造でも輪郭ごとに構えたときの印象が違う。購入前に複数の形状を並べて構え、どのシルエットに違和感がないかを確認するのが遠回りに見えて一番早い。
今のパターに大きな不満がないなら、無理に買い替えを急がなくていい。ストロークの安定に迷いが出てきたときに、選択肢の一つとして思い出せば十分だ。
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編集方針・出典
本記事は複数の試打レビュー(海外・日本のメディア/動画)とメーカー公式情報を GolfEdge 編集部が総合し、要点を再構成したものです(単独実機試打ではありません)。スペック数値はメーカー公式と照合しています。最終更新: 2026年モデル情報を含む。