X FORGED
結論
callaway X FORGEDは、ヘッド素材をS20CからS15Cという柔らかい軟鉄鍛造に変更し、フェース面にディープフェーサーレーザー(網目状の粗さ加工)を採用した新型ウェッジだ。複数の試打レビューで打感の柔らかさとスピン性能の高さが共通して評価されている。ロフトの高い番手ではCグラインド(ソールの丸みを抑えた形状)を採用し、フェースを開いた操作を得意とする一方、設計思想としては熟練者向けとする評価もある。数値未検証のため定性評価のみで判断材料をまとめた。
総合評価
複数の海外・国内メディアの試打レビューを重ねると、打感とスピン性能という2軸で評価がそろう。1020カーボンスチールや軟鉄鍛造ならではの「最も打感の良いクラブの一つ」という評価、インパクトで「ボールが吸い付くようなやわらかさ」が伝わるという評価が並ぶ。芯を食ったときの感触は硬く弾く「カッ」ではなく、包み込むように沈んで消える打感に近い。スピンについても「しっかりかかる」「バックスピンOK」という声が複数あり、フェース面の摩擦を高めるディープフェーサーレーザーという加工技術の効果が体感として現れている。
一方、耐久性については「使用後に球がささくれる」というボールの傷みの早さを指摘する声もある。スピン性能の高さと表裏一体の特性であり、ボールの消耗が早いという実務的な注意点として押さえておきたい。
各メディアの試打レビュー統合
タイトなライからのクリップ一発の音だけで「ピュアな当たり」と分かるほど純粋な打感、という評価がある。ラフ、フェアウェイ、バンカーいずれからでもグリーンに止められ「何も問題が見当たらない」という総合評価も付く。旧モデルの「X Forged」はバンカーでは無難だったもののフルショットやピッチでスピンが効きすぎる傾向があったのに対し、本モデルではその過度なスピンの問題が解消されたとする声がある。どのロフトでもスクエアに構えやすく、ボールをよくフレーミングするという評価も付いた。
操作性の評価も厚い。フェースを開いてのフロップショットが「非常に簡単」というユーザーレビューや、フェースを立てて構えればスピンが効きつつ飛びすぎない計算されたランニングアプローチが打てる、という評価が並ぶ。リーディングエッジをまっすぐに保ったままシャフトを右に傾けてロフトを増やす操作もしやすいとされる。懐の深さ、と言い換えられる余地の広さだ。
設計思想としては「複雑さを排し、熟練プレーヤーが求める精度とコントロールを提供する」ことを目的に掲げるメディアの分析がある。ロフトの低い番手はフルショット向けの安定したソール形状、ロフトの高い番手はフェースを開いた繊細なショットを打ちやすい多様性のある設計、という役割分担も紹介されている。伝統的なコントロール性とショットメイキングに忠実なタイプ、という位置づけだ。
グリーン周りの評価もまとまっている。長めのピッチやアプローチでも安定した性能を発揮し、バンカー越えの短いチップでもピンに寄る結果が出たという報告がある。距離感の一致についても「距離感もあい」という声があり、アプローチ精度が上がったと実感するユーザーもいる。見た目に関しては、ソールの丸みや端正な顔立ちを評価する声が複数だ。
向いている人 / 向かない人
向いているのは、フェースを開いて球を操作したい人、グリーン周りで繊細な打ち分けを重視する人だ。Cグラインド(ソール形状を丸く削り接地点を調整する加工)採用のロフトはリーディングエッジが地面に近く、フェースを開いてのフロップショットがしやすいと複数のレビューが一致する。距離感を合わせやすい、という評価も中上級者の武器になりやすい。
一方で向かないと言えるのは、クラブに複雑な調整を求めず、とにかく寛容性重視で球を上げたいだけの人だ。設計思想自体が「熟練プレーヤーが求める精度とコントロール」を明言しており、テスターの一人は「上級者や、やや小ぶりなヘッドを好む人に合う」とコメントしている。評価が分かれる点として、ボールが傷みやすいという耐久性の指摘もあるため、頻繁にボールを交換するコストを許容できるかも判断材料になる。
数値の意味(あなたへの影響)
スペックの実数値は未検証のため、ここではHS(ヘッドスピード)に依存しない定性指標だけを並べる。飛距離のヤード数は打ち手のHSで大きく変わるため意図的に外している。
| 項目 | 傾向 |
|---|---|
| 打感 | 柔らかく、ボールを包み込むような感触(軟鉄鍛造S15Cの効果) |
| スピン量(ボールの回転量) | 高めの部類。フェース面の摩擦加工で上積み傾向 |
| 弾道の上げやすさ | 上げやすいという評価が複数 |
| 寛容性 | 前作より大型化したフェースで安心感が増す方向 |
| 操作性(つかまり調整の余地) | フェースを開閉した操作に対する懐が深い |
体感として効くのは、構えたときにフェースが大きく見える安心感と、開いたときにも球がすっぽ抜けない余裕だ。この余裕は、アプローチでミスを最小化したい会社員ゴルファーには追い風になる。
歴代・競合の位置づけ
callaway X FORGEDは、前作JAWS FORGEDウェッジ以来の新モデルという位置づけだ。ヘッド形状はOPUS/OPUS SPウェッジのシェイプを踏襲しつつ標準的なサイズに大型化しており、フェース面の加工もOPUS SPで初採用のディープフェーサーレーザーを引き継いでいる。溝の仕様もOPUSまでの世代から変更され、OPUS SPのスタイルに寄せた設計になった。バックフェースの意匠はシェブロンマークのみに簡素化され、日本モデル向けにロゴフォントも独自の意匠にしている。
旧世代の「X Forged」との比較では、バンカーは無難だがフルショットやピッチでスピンが効きすぎる弱点があったのに対し、現行モデルはその過度なスピンの問題が解消されたと評価されている。競合との位置づけでは、Bridgestone B-Limitedがフェース全面のミーリングで接地・スピン性能を追い込むタイプ、Cleveland RTi-Forgedがロフト別ソール設計で実戦の安定性を重視するタイプとされる中、X FORGEDは伝統的なコントロール性とショットメイキングに忠実なタイプという定性的な位置づけがされている。数値の順位ではなく、設計思想の違いとして捉えるのが妥当だ。
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よくある質問
X FORGEDはどんな人に向いているか
Cグラインドソールを中心にした設計で、リーディングエッジが地面に近く、フェースを開いたショットメイキングを好む人に合う。球を上げるコントロールにまだ慣れていない人や、大きめのヘッドで安心感を得たいタイプには荷が重い。
弾道やつかまりの傾向はどうか
フェースを開いても球がつかまり続ける懐の深さがあり、リーディングエッジをまっすぐにしたままシャフトを右に傾けるとロフトが増える操作が効く。打ち出しは上がりやすく、フェースを立てて構えれば飛びすぎずに止まるアプローチが打てる。
前作や旧モデルとどこが変わったか
ヘッド素材が硬めのS20Cから軟らかいS15Cに変わり、溝も37Vグルーブから17Vグルーブへ刷新された。旧X Forgedはフルショットやピッチでスピンが効きすぎる場面があったが、今作ではその過度なスピンが抑えられているとの声がある。
寛容性は実際どのくらいあるか
前作OPUSよりヘッドがひと回り大きく、フェースがボールを包み込むような安心感がある。ラフの深さやバンカーが変わっても止める性能が大きく崩れないとの評価もあるが、ソール形状は上級者の操作性を前提にしているため、易しさ優先のモデルとは方向性が違う。
中古で狙うときに確認すべき点は
低ロフト帯はSグラインド、高ロフト帯はCグラインドと使い分けられているので、表記だけでなく現物のソール形状とバウンスの当たり方を見ておきたい。フェース面のレーザー加工や溝は使用でスピン性能が落ちやすい部分なので、擦れや丸みの有無、ヘッドカバーや工具類が揃っているかも確認するといい。
シャフトやセッティングはどう考えればいいか
ロフトは複数段階が細かく用意されているので、今使っているアイアンセットのピッチングウェッジのロフトに合わせて選ぶと距離の階段が揃いやすい。3本体制ならギャップ・アプローチ・サンド、2本ならアプローチ・サンドが基本形で、シャフトは上位グレードの設定が用いられておりカスタム対応もある。
購入タイミング・型落ち
通常在庫品とカスタム品の両方が用意される点は押さえておきたい。番手構成を考えるなら、現在使っているアイアンセットのピッチングウェッジのロフトに合わせて選ぶと距離の階段がそろいやすい、という考え方が紹介されている。3本構成なら「ギャップ・アプローチ・サンド」、2本なら「アプローチ・サンド」が基本の組み合わせだ。
型落ちのタイミングを待つべきか。前作からの変更点は素材・フェース加工・溝という中身に及んでおり、単なる外装変更ではない。スピンや打感の差を体感で重視するなら、型落ちを待つより現行モデルを試打機で確認する方が判断材料は多い。とはいえ、今の手持ちウェッジで大きな不満がないなら、無理に今買い替えなくてもいい。HSやスピン傾向が今のギアで満足できているうちは、急いで選ばなくても困らない。
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編集方針・出典
本記事は複数の試打レビュー(海外・日本のメディア/動画)とメーカー公式情報を GolfEdge 編集部が総合し、要点を再構成したものです(単独実機試打ではありません)。本文の最終更新: 2026年9月28日。