RTX FULL-FACE 2
結論
RTX FULL-FACE 2はフェース全面にグルーブを刻んだフルフェースグルーブ(フェース全体に溝を配置した設計)が最大の特徴だ。フェースを開いたショットやトウ寄りのミスヒットでもスピン量を落としにくく、バンカーやラフからの一発に強い。打感は詰まった重みのある手応えで、ハイトウ形状がアドレス時の安心感を生む。一方でソールグラインド(ソール形状の削り方)の選択肢はS・Cの2種類にとどまり、正確性や一貫性については評価が分かれる。フィッティングの自由度より、開いたフェースでのスピン性能を優先したい人向けのウェッジである。
総合評価
「バンカーからスピンが入らない」。この悩みの正体は、フェースを開いた瞬間にグルーブがボールを捉えきれていないことにある。RTX FULL-FACE 2は、その悩みに正面から答える設計のウェッジだ。フェースのトウ側からヒール側まで、通常はグルーブのないエリアまで溝を伸ばしたフルフェースグルーブにより、開いたフェースやトウ寄りの打点でもスピンを稼ぎやすい。複数の海外メディアのレビューと公式情報を検証・分析すると、この一点への評価は概ね一致している。
打感については「詰まった手応え」「バンカーやラフでの感触が良い」と評されている。インパクトで返ってくるのは軽い金属音ではなく、コトッと沈み込むような重みのある感触だという。
各メディアの試打レビュー統合
フェース全面のグルーブ設計は、従来モデルよりヒッティングエリアを広げている。開いたフェースで打つバンカーショットやロブショット、繊細なフロップショットでスピンを効かせやすく、ショートゲームでの構成力が高いと評価されている。ハイトウ形状は重量配分を上部にも広げ、フェース上部でのオフセンターヒットでも球速とスピンが安定しやすい。アドレス時にはこのハイトウ形状が視覚的な安心感を与えるという声もある。
一方、別の実測ベースのテストでは評価が分かれる。スピン性能そのものは上位グループに入る結果が出ている。湿ったコンディションでは乾いた状態よりもスピン量が増える傾向があり、雨上がりのラウンドでも機能するタイプのウェッジとされる。ただし同じテストでは、正確性と一貫性に課題があると指摘された。フルスイングでも50ヤード程度のショットでも球の散らばり(ディスパージョン、着弾のばらつき幅)がまとまりにくく、ストロークスゲインド(スコアへの貢献度を数値化した指標)の評価は伸び悩んだという。スピンは稼げても、狙った場所に寄せる再現性は別問題という結果だ。
向いている人 / 向かない人
向いている人
- バンカーやラフからフェースを開いて打つ機会が多い人。トウ寄りのミスヒットでもスピンを落としたくない人。ロブショットやフロップショットなどタッチで打ち分けたい人。
- ハイトウ形状の見た目に構えやすさを感じるタイプ。
向かない人
- ソールグラインドを複数試してフィッティングの幅を重視したい上級者。VokeyやCobra、TaylorMadeのように選択肢の多さで詰めたい人には物足りない。
- 50ヤード前後のショットで着弾のばらつきを最優先で抑えたい人。この距離の再現性には評価が分かれる部分がある。
スピンの伸びしろと引き換えに、狙った場所への再現性がどこまで担保されるかは、実際のライやコンディションによって変わる。
数値の意味(あなたへの影響)
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| スピン性能 | フェースを開いた打点やトウ寄りでも粘るタイプ。湿ったコンディションでは乾いた状態よりスピン量が増える傾向 |
| 打感 | 詰まった重みのある感触。バンカーやラフでの手応えが良いという評価 |
| 方向性のばらつき | 評価が分かれる。フルスイングと50ヤード前後の両方で着弾のまとまりに課題ありとする指摘がある |
| 寛容性 | フェース上部のオフセンターヒットでも球速・スピンが安定しやすい |
| 構えた印象 | ハイトウ形状がアドレス時の視覚的な安心感につながるとされる |
この表が示すのは、スピン性能と寛容性は評価が高い一方、方向性の再現性については出典間で見解が割れているという構図だ。片方だけを見て判断すると、実際の距離感で戸惑う可能性がある。
歴代・競合の位置づけ
ウェッジ市場ではVokeyが事実上の標準になっている。RTX FULL-FACE 2は、そこに対する「違った選択肢」として位置づけられている。ソールグラインドはS・Cの2種類のみで、VokeyやCobra、TaylorMadeが複数のグラインドを用意するのと比べると選択の幅は狭い。フィッティングで細かく詰めるタイプの製品というより、フルフェースグルーブという単一の武器で勝負する設計だ。
クリーブランドはRTXシリーズを通じて、ショートゲーム特化のポジションを一貫して取ってきたブランドである。今回のFULL-FACE系統は、その中でも「開いたフェースでのスピン」という一点に最も振った派生モデルと言える。
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よくある質問
どんな人に向いていて、逆に向かない人は誰ですか
バンカーやラフからのアプローチでスピン量を稼ぎたい人、フェースを開いた変則的なショットを多用する人に合う。一方でソールグラインドがS・Cの2種類しかなく、バウンスやソール形状を細かく作り込みたい上級者には選択肢が窮屈に感じられる。
弾道やつかまりの傾向はどうですか
ハイトウ形状のおかげでアドレス時の見た目に安心感があり、構えたときにフェースが開きすぎている印象になりにくい。フェース全体にグルーブが入っているため、トウ寄りや開いた状態で打ってもスピンが抜けにくく、球が失速せず止まりやすい。
前モデルや競合(Vokey・Cobra・TaylorMade)との違いは何ですか
従来モデルよりヒッティングエリアがフェース全面に広がり、面のどこで打ってもスピンを稼げる設計思想が特徴になっている。Vokeyが主流の市場で別の選択肢を探すプレーヤー向けの立ち位置だが、ソールグラインドのバリエーションはVokeyやCobra、TaylorMadeより少ない。
やさしさや寛容性は実際どの程度ありますか
フェース上部寄りでインパクトしてもスピン量と球速が安定するよう重量配分が工夫されており、芯を外しても極端にスピンが抜けにくい。ただし第三者のテストではフルスイングや50ヤード前後のショットで着弾のばらつきが目立ち、方向性や距離の一貫性には課題が残るとされている。
中古で狙う場合、何を確認すればいいですか
ソールグラインドがSかCかで使い勝手が変わるため、出品情報でどちらのグラインドかをまず確認する。あわせてシャフトが購入時のフレックスや銘柄から交換されていないか、フェースのグルーブの摩耗具合やヘッドカバーの有無も見ておくと選びやすい。
シャフトやセッティングはどう考えればいいですか
ショートゲームでのスピン性能を軸にした設計なので、シャフトは他のアイアンやウェッジとの振り感の連続性を優先して選ぶ考え方が合う。ソールグラインドはSとCの2択なので、普段使うライやバンカーの砂質でどちらが抜けやすいか試打で確かめておきたい。
購入タイミング・型落ち
ウェッジは数年単位で摩耗し、グルーブの効きが落ちるとスピン性能から先に失われていく消耗品だ。買い替えのタイミングを迷っているなら、今使っているウェッジのグルーブの摩耗具合を確認するといい。溝の角が丸くなっていれば、スピン量の低下はクラブの寿命によるものかもしれない。
RTX FULL-FACE 2を検討する場合は、事前にS・Cどちらのグラインドが自分のライやコースの砂の硬さに合うか、試打で確かめておきたい。グラインドの選択肢が絞られている分、この一本を選んだ後の融通は利きにくい。
正確性や一貫性への評価が割れている点も踏まえると、今のウェッジでまだスコアに大きな不満がないなら、無理に買い替えを急ぐ必要はない。バンカーやラフでのスピン不足に具体的な悩みがある人から検討すればいい。
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編集方針・出典
本記事は複数の試打レビュー(海外・日本のメディア/動画)とメーカー公式情報を GolfEdge 編集部が総合し、要点を再構成したものです(単独実機試打ではありません)。本文の最終更新: 2026年9月28日。