RTZ2
判定の根拠
- 打感・フィール重視:「むしろソフトさを伝える感触だと表現されている」(Cleveland Golf RTZ 2 Wedge Review)
- ソールの抜け・ダフリに強い:「積極的に打ち込んでもダフりにくい、多用途向けのソールと評価されている」(Cleveland Golf RTZ 2 Wedge Review)
GolfEdge の本文(出典つき)の記述から、ルールで判定しています。スペックの数値とは別の評価です。
結論
複数の海外試打レビューと公式発表を編集部が横断して検証すると、RTZ2の軸は2つに絞られる。1つはスピン性能。新品時から高いスピン量を確認したという報告が複数あり、再現性のある傾向だ。もう1つはグラインド(ソールの削り方)の多さによる寛容性。MID・FULL・LOW・588・ADAPTの5種を展開し、プレーヤーが技を変えるのではなくクラブ側を合わせる設計思想だという。打感はクリーブランドらしいソフト系を継承しており、耐久感より柔らかさを伝える打感だと評されている。価格や具体的な飛距離(ヤード)には触れない。
総合評価
RTZ2はシリーズ創業者であるロジャー・クリーブランド本人が設計に復帰したモデルとして紹介されている。Z-Alloy、HydraZip(濡れたフェースでもスピン性能を保つミーリング加工)、UltiZip(溝の精度を高める加工技術)、Rotex Milling、ZipCore iQ(インパクト時の打感と安定性を支える内部構造)といった自社技術を集約した一本だという位置付けだ。既存ユーザーに対しては「familiar by design(慣れ親しんだ打感)」になるよう意図されているとされ、見た目や音を大きく変えずに内部構造だけを更新する方向性である。
メーカー側は「最も進化したウェッジ」と自社説明の中で位置付けている。これはあくまで製造元の表現であり、編集部として独立に検証した評価ではない点は明記しておく。実際のレビューを見る限り、スピンと寛容性の面では複数の試打者が肯定的な感触を報告しており、仕様の微調整というより構造面に手を入れたアップデートと捉えるのが妥当だ。
各メディアの試打レビュー統合
打感については、インパクト時に「耐久性を感じさせるもの」ではなく、むしろソフトさを伝える感触だと表現されている。ウレタンカバーボールを使った際のインパクト音も心地よいと評されており、硬さで押し込むタイプの打感ではない。別のユーザー報告では、球がしっかり噛む(つかまる)フェース設計とやわらかい打感について、何百球でも打ち続けたくなるという感想が出ている。アイアンセットとの組み合わせで導入したケースでは、セット間のつながりの良さを実感したという声もあった。
スピンについては、ローンチモニターでの計測結果として最初のスイングから高いスピン量が確認されている。別のレビューでも、新品状態の比較で他有名メーカーのウェッジよりスピンが効いており、初ラウンドでバックスピンの効きを実感したという報告がある。2つの異なる試打者から似た方向の評価が出ている点は、単発の印象ではなく一定の再現性を示していると見てよい。
ソール設計については、588グラインドとMidソールが試打対象になっている。588はほかのグラインドよりバウンス量が少なめで、ソール自体は幅広い作りだ。リーディングエッジ(ソール前方の刃先部分)が低く保たれているため、フェースを開きやすく、ファームからミディアムの硬さのターフでも積極的に打ち込んでもダフりにくい、多用途向けのソールと評価されている。グラインド構成全体では、MID・FULL・LOW・588の4種が標準的なシェイプと伝統的な溝を共有し、ソール遷移部の改良とUltiZipの溝、HydraZipの悪天候対応ミーリングを組み合わせることで安定したパフォーマンスにつながるとされる。シャロー(浅い)スイング向けの選択肢としてADAPTグラインドが別に用意されている点も特徴だ。
一方で評価が分かれる部分もある。雨天ラウンドで使用した報告では、前モデルとの違いがはっきり分からなかったという声が出ている。これはHydraZipの悪天候対応ミーリングの効果を否定するものではないが、全員が明確な違いを体感できるとは限らないという現実的な温度感を示している。
向いている人 / 向かない人
- 新品時からスピン量を安定させたいゴルファー。複数の試打報告でスピン傾向が一致している
- ミスヒットのばらつきを抑えたい層。サンプルが増えるほどZipCore iQの効果が明確になったという報告があり、ラウンド単位の安定感を重視する人に合う
- ファームからミディアムの硬さのコースをよくラウンドする人。588グラインドは積極的に打ち込んでもダフりにくいと評されている
- スイングがシャロー(浅い)傾向の人。ADAPTグラインドはそうしたスイングタイプ向けに用意された選択肢だ
向かないと考えられるのは、悪天候での違いをはっきり体感したい人だ。雨天時に前モデルとの差を感じにくかったという報告がある以上、HydraZipの効果を過度に期待するのは避けたい。また、旧RTZを長期間使い込んだユーザーからは経年で傷が目立つようになったという使用感の報告があるが、これはRTZ2自体の耐久性評価ではない。見た目の経年変化を気にする人は、この点を旧モデルの参考情報として捉えるにとどめるべきだ。
数値の意味(あなたへの影響)
| 項目 | 数値の意味 |
|---|---|
| グラインド構成 | MID・FULL・LOW・588・ADAPTの5種を展開 |
| 588グラインドのバウンス量 | 他グラインドより少なめ、ソール幅は広め |
| 新品時のスピン傾向 | 試打レビューで初打球から高いスピン量を確認 |
| 悪天候時のスピン保持 | HydraZipのミーリングが濡れたフェースでの溝性能を補う設計 |
| 打感の方向性 | 硬さではなくソフト系、ウレタンカバーボールでの音も好評 |
この表で見るべきは絶対的な飛距離ではない。HS38〜45m/s帯の読者にとって重要なのは、スピンがコース上でどう効くかという再現性の部分だ。新品時から高スピン傾向が出ているという報告は、グリーン周りで止める感覚を作りやすいという解釈につながる。
歴代・競合の位置づけ
RTZ2は前作RTZからの正統な後継として位置付けられている。最大の違いは、創業者であるロジャー・クリーブランドが設計に復帰した点だ。仕様の微調整ではなく、創業者の知見を取り入れた構造面のアップデートとされており、見た目や打感の方向性を維持しながら内部技術を更新するという作り方である。
競合との比較では、具体的なブランド名は明かされていないものの、新品状態の比較で他有名メーカーのウェッジよりスピンが効いているという報告が出ている。これは単一のテストに基づく主観的な感想であり、母数の大きい横並び比較ではない点は踏まえておきたい。グラインドの選択肢をMID・FULL・LOW・588・ADAPTの5種まで広げている点は、ソール形状で差別化を図る高番手ウェッジ市場全体の流れに沿った設計だと言える。
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よくある質問
打感が硬いアイアンセットに合わせても違和感は出ないか
打感設計は既存ユーザーが慣れた感触を保つ方向で作られており、ウレタンカバーボールではソフトな手応えとインパクト音が得られるとされる。スリクソンZXiRのカーボンシャフトアイアンと組み合わせたユーザーもセット間のつながりの良さを感じており、硬すぎるギャップは起きにくい。
前モデルのRTZから買い替える価値はどこにあるか
設計者本人が復帰し、UltiZipの溝やHydraZipの悪天候対応ミリングなど自社技術を結集した本格的な刷新と位置付けられている。一方で雨天ラウンドでは前モデルとの違いがはっきり分からなかったという声もあり、天候による体感差は人によって分かれる。
ダフりやすい人でも使えるか、どのソールを選ぶべきか
588グラインドとMidグラインドはどちらもリーディングエッジが低く、ファームからミディアムの硬さのターフで積極的に打ち込んでもダフりにくい多用途設計とされる。スイングが浅くボールにシャローに入るタイプには、ADAPTグラインドが専用の選択肢として用意されている。
ミスヒット時の寛容性は実際どれくらい違うか
ローンチモニターでの検証では、サンプル数とミスショットのデータが増えるほどZipCore iQによるショットの一貫性向上効果がはっきり現れたと報告されている。1発だけの試打ではわかりにくく、ラウンドを重ねて差が見えてくるタイプの寛容性と言える。
中古で狙うときシャフトやフレックス以外に何を見ればいいか
番手ごとに異なるシャフトを使い分けてアイアンとの重量バランスを取る例があるため、中古では付いているシャフトの型番とフレックスがセット全体と合うか確認したい。旧RTZを長期間使ったユーザーからは傷が目立つようになったという報告もあり、フェースやソールの削れ具合も合わせて見ておくと安心できる。
セッティングで何番から入れるべきか迷っている
番手ごとにシャフトを変え、アイアンからの重量つながりを意識して選んだ実例がある。グラインドもMID・FULL・LOW・588・ADAPTの5種から打ち方やターフコンディションに合わせて選べるため、番手選びと同時にソール形状も検討材料になる。
購入タイミング・型落ち
旧RTZを使っているなら、買い替えを急ぐ必要はない。経年で傷が目立つようになったという報告はあるが、これは見た目の変化であり性能低下を直接示すものではない。買い替えを検討する一番の動機になるのは、創業者が設計に復帰したという構造面の変化そのものだ。見た目と打感を大きく変えずに内部技術だけを更新するという作り方は、使い慣れたセットアップを崩さずに性能だけ上げたい人には理にかなっている。
ADAPTグラインドはシャロー(浅い)スイング向けの新しい選択肢として用意されている。これまでのグラインド構成で合うソールが見つからなかった人は、この選択肢が増えたタイミングで検討する価値がある。価格については本ページでは扱わないが、同クラスのウェッジと比べて内容に見合わない印象は出ていない。HSが今の帯域で安定していないうちは、無理にグラインドまで選び切らなくてもいい。まずは今使っているウェッジのスピンとの違いを、次のラウンドで感覚として確かめる程度で十分だ。
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編集方針・出典
本記事は複数の試打レビュー(海外・日本のメディア/動画)とメーカー公式情報を GolfEdge 編集部が総合し、要点を再構成したものです(単独実機試打ではありません)。本文の最終更新: 2026年10月5日。