Z-STAR
結論
モデルのSrixon Z-STARは、コンプレッション90・3ピース構造のツアーボールだ。HS40m/s以上(ドライバーSS90mph以上)を前提とした設計で、飛距離よりショットメイキングとグリーン周りのコントロールを優先する。50ヤードのピッチショットで平均約7,600rpm、ウェッジフルショットで平均9,759rpmを計測。プレミアムボールの中でも柔らかめの打感で、複数の試打レビューでPro V1より柔らかいとの比較が挙がっている。同シリーズのZ-STAR XV(コンプレッション102・4ピース)と比べると、スピンは高くドライバー飛距離はXVがわずかに上回る設定だ。スコア80台後半〜90台前半でHS40m/s以上のゴルファーが検討に値する一球である。
総合評価
Z-STARは「飛ばすボール」ではなく「操るボール」だ。
設計の軸は三層に分かれる。「FastLayer DGコア」は中心が柔らかく外側に向かって硬くなるグラデーション設計で、硬いコア由来のボールスピードと柔らかいコア由来の打感を両立する。カバーは厚み0.6mmのウレタンで、表面に「Spin Skin+SeRMコーティング」を施す。SeRMがウレタン分子を変形しやすくすることでウェッジのグルーブへの食い込みを高め、グリーン周りのスピンを引き出す仕組みだ。338個の「スピードディンプルパターン」が空気抵抗を低減しながら揚力を高め、弾道の突き抜けと直進性を確保している。
コンプレッションはメーカー公称90、MyGolfSpyの実測では平均88。ツアーボール全体では「ファームな部類」に入るが、プレミアムボールカテゴリ内では「中程度よりやや低め」に位置する。前世代から改善が確認されているとの評価がある。
品質面では一定の課題も確認されている。MyGolfSpyのBall Labでは、サンプルの6%に不良(主にマントル層の厚みムラ)、4分の1強にマイナーな偏芯が見られた。カバーとコーティングの品質は概ね問題なく、コンプレッションの一貫性は平均的な水準と評価されている。購入するロットによってばらつきが生じる可能性は念頭に置いておきたい。
各メディアの試打レビュー統合
打感
複数の試打レビューが「柔らかい」で一致している。「Pro V1よりもソフト」「BS TourB XSより柔らかい」という比較が挙がり、かつて硬い印象を持っていたゴルファーが実際に打って驚いたケースも報告されている。「硬すぎず、カチカチ感もない」引き締まった打感で、インパクト音はクリーンでシャープという描写も複数の情報源で一致する。パッティングでもソフトさを感じながら、フェースからの初速は十分に保たれているという評価がある。一方で「芯を感じる固さが好みな人にはやや物足りない」という意見も存在し、ここは評価が分かれる。
グリーン周りのスピン
スピン性能がこのボールの核心だ。50ヤードのピッチショットで平均約7,600rpmを計測(出典1)。56°ウェッジのハーフショットで平均7,349rpm、フルショットで平均9,759rpmという数値も確認されている(出典5)。65ヤードのウェッジショットではZ-STAR 7が平均7,100rpm、姉妹モデルのZ-STAR XV 7が平均6,900rpmで、Z-STARの方がスピンが高い(出典7)。グリーンに着弾後フロントフリンジまで大きく戻るほどの強いバックスピンを体験したとの証言もある。室内のチッピングテストでも、他のボールと比べて明らかに高いバックスピンを音と感触で確認したケースが報告されている。
アイアンとミドルレンジの数値
7番アイアンでのスピンは5,207〜6,000rpm(情報源により差異あり)、キャリーは161〜166ヤードの範囲で報告されている。ドライバーでのボールスピードは162〜163mph(SS90mph超のテスター・出典1)、平均スピン2,600rpm、キャリー280ヤードという計測値がある。別の情報源ではドライバーキャリー平均255ヤード・7番アイアン平均165ヤード(出典5・異なるテスター)となっており、テスターのスイングスピードによって数値は変わる。全番手で一貫した飛距離が得られたとの記述も複数確認できる。
弾道と直進性
弾道はZ-STAR XVと比較して全番手で低め。ミッドローンチ設定で向かい風でも方向性と飛距離を維持しやすいという評価がある。「普段より若干低い弾道を感じた」という試打者がそれを好意的に受け取っているケースもある。クロスウィンドでもラインを保ち、「曲がりが少ない」「直進性が気に入っている」というコントロール面でのポジティブな評価が複数確認できる。
耐久性
18ホールのプレー後でも極めて軽微な傷のみで、カバーの耐久性は良好との評価がある。ホワイトカラーの塗装も色落ちしにくいという記述がある。
向いている人 / 向かない人
このボールが合うゴルファー
- HS40m/s以上(ドライバーSS90mph以上)でスイングしている中〜上級者
- グリーン周りでボールを止める技術を持ち、スピンコントロールをさらに精度高く活かしたい
- 柔らかい打感を好み、パッティングでもソフトさを重視する
- 飛距離よりショットメイキングとコントロールを軸にゴルフをしている
- Pro V1と同等以上のショートゲーム性能をやや手の届きやすい価格で確保したい上級者
- 硬めのパターフェースを使用しており、ボール側のソフトさでバランスを取りたい
向かない可能性があるゴルファー
- HS38m/s未満。コンプレッション90はこの帯域では設計通りの反発を引き出しにくく、より低コンプレッションのボールが選択肢になる
- ドライバーでの最大飛距離を最優先にしている。同シリーズのZ-STAR XV(コンプレッション102・4ピース)の方が飛距離優位とされている
- インパクトで「芯の固さ」を感じたいタイプ。柔らかすぎると感じる可能性がある
- スコア100以上・HS38m/s未満の一般的なアマチュア。メーカー自身が「平均的なクラブゴルファー向けではない」と明記している
数値の意味(あなたへの影響)
コンプレッション90(実測88)とは、インパクト時のボールのつぶれやすさを示す指標だ。HS40〜43m/s帯ではコアが適切につぶれて反発し、初速とスピンのバランスが引き出される。ツアーボール全体ではファームな部類だが、プレミアムボールカテゴリ内では中程度よりやや柔らかめに位置する。前世代モデルから改善が確認されている。
ウェッジスピン7,349〜7,600rpm(ハーフショット)・9,759rpm(フルショット)が示すのは、50〜65ヤードのピッチショットでピン手前に制動できる力だ。Spin Skin+SeRMコーティングがカバー分子をグルーブ内に食い込ませる構造により実現しており、当たった瞬間に「キュッ」と食いついた感触が出やすい。インパクトの音で止まる予感がするボールだ。
7番アイアンスピン5,207〜6,000rpmという帯域は、グリーンに乗せてある程度止まる弾道に対応する。過度に高スピンにならないことで着地後の過剰な転がりを抑えつつ、コントロール幅を確保する設計だ。
ドライバースピン2,600rpm(SS90mph超テスターの計測値)は低スピン寄りの数値で、弾道が高く上がりすぎずに貫通していく軌道を生む。向かい風での距離ロスが少ない弾道に繋がる。Z-STAR XVと比べると弾道は低め・スピンは高めの設定であり、最大飛距離はXVが上回る傾向がある。
歴代・競合との位置づけ
Z-STAR XV(同シリーズ飛距離モデル)との違い
Z-STARとZ-STAR XVは設計の重心が明確に異なる。Z-STARはコンプレッション90・3ピース・カバー0.6mm厚でスピン最大化寄り、XVはコンプレッション102・4ピース・カバー0.5mm厚で飛距離最大化寄りだ。7番アイアンの実測ではXVが164ヤード・Z-STARが161ヤードとXVが3ヤード上回り、ウェッジスピンでは65ヤードショットでZ-STARが平均7,100rpm・XVが平均6,900rpmとZ-STARが上回る。ドライバーのボールスピードと平均キャリーは両モデルとも144.5mph・238ヤードとほぼ同等という計測結果がある。弾道はZ-STARがミッドローンチ、XVがミッドからハイローンチ寄りの設定だ。HS43m/s以上で最大飛距離を狙うならXV、HS40〜43m/s帯でショートゲームのコントロールを軸にするならZ-STARが判断の基準になる。
タイトリスト Pro V1との比較
「Pro V1よりもソフト」という打感比較が複数の試打者から挙がっている。飛距離面では「Pro V1に遜色なく飛ぶ」という評価があり、グリーン周りのスピン性能も競合水準と評価されている。「Pro V1と比べて価格的に選びやすい」という理由でZ-STARに乗り換えたユーザーの存在も確認できる。
ブリヂストン TourB XSとの比較
「BS TourB XSより柔らかい」という打感比較が一部試打者から挙がっている。スピン・飛距離の直接比較データは今回取得した情報源の範囲には含まれておらず、数値での優劣は評価できない。打感を軸に選ぶ際の並列候補として検討する価値はある。
ツアー使用実績
PGAツアーでの使用選手としてブルックス・ケプカと松山英樹の名前が挙がっている。ドライバー・アイアンでの高スピンよりも低弾道・柔らかめの打感を好むゴルファーに向くとされており、この評価はツアープロの採用実績と符合する。
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よくある質問
どんなゴルファーに向いていて、逆に向かないのはどんなタイプですか?
スイングスピード90mph以上を前提に設計されており、ただ飛ばすよりもショットメイキングを重視するスキルのあるプレーヤーに適しています。平均的なクラブゴルファー向けではないと明記されており、飛距離を最優先したい場合は同ラインのZ-STAR XVの方が合う可能性があります。
弾道の高さやつかまりの傾向はどうですか?
ミッドローンチ設計で、同シリーズのZ-STAR XVやZ-STAR Diamondと比較して全番手で低弾道寄りの傾向があります。338スピードディンプルにより空気抵抗を抑えた貫通力のある弾道が特徴で、向かい風でも方向性と飛距離を維持しやすいとされています。
前モデルや競合のPro V1と比べて何が変わりましたか/どう違いますか?
第7世代ではFastLayerコアを新採用してコア中心を柔らかく外側を徐々に硬くするグラデーション設計に刷新し、カバー厚も前世代比+0.1mmの0.6mmとなってグリーン周りのスピンが向上しています。Pro V1との比較では「Pro V1よりもソフトな打感」「飛距離に遜色ない」という評価が複数あり、価格面の選びやすさを乗り換え理由に挙げるユーザーもいます。
やさしさや寛容性の面では実際どうですか?
スキルのあるプレーヤーを対象にした設計であり、寛容性を重視したコンシューマー向けボールではありません。独立機関の品質検査ではサンプルの6%に不良(主にマントル層の厚みムラ)、四分の一強にマイナーな偏芯が確認されており、製品均一性については平均的な水準と評価されています。
中古ボールとして購入する場合、何か注意点はありますか?
新品の段階でもマントル層の厚みムラや偏芯が一定割合で報告されているため、中古品ではこれらのばらつきが実用上の精度に影響しやすくなります。グリーン周りのスピン性能を重視して選ぶ場合は、外観の傷に加えてSpin Skin+コーティングの摩耗状態にも注意が必要です。
Z-STARとZ-STAR XVのどちらを選ぶか、セッティングの観点でどう考えればよいですか?
Z-STARはコンプレッション90・3ピース構造でグリーン周りの最大スピンを優先し、Z-STAR XVはコンプレッション102・4ピース構造で飛距離を最優先しながらコントロールも維持したいプレーヤー向けです。パターとの相性については硬めのパターを使用するプレーヤーに向くと指摘されており、ショートゲームの打感を重視するならクラブ側の硬さとのバランスを意識することが勧められています。
購入タイミング・型落ち
モデルとして発売されたばかりだ。型落ち価格や大幅な値引きの発生はまだ先の話になる。
購入前に確認しておく判断軸は一つ。自分のHSが40m/s以上あるか。この水準に達していれば、コンプレッション90の設計が機能する帯域に入る。それ未満であれば、試打で差を感じにくい可能性が高い。
Z-STARとXVで迷っているなら、直近のラウンドで自分に必要なのが「ショートゲームのスピン」か「ドライバーの1〜3ヤードの上乗せ」かを問い直せ。グリーンに乗せられているが止まらずに奥にこぼれているならZ-STAR、飛距離をあと数ヤード確保したいならXVを先に試すのが合理的だ。
試打せずに決める理由はない。1スリーブから試せる環境を先に探すことを勧める。
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編集方針・出典
本記事は複数の試打レビュー(海外・日本のメディア/動画)とメーカー公式情報を GolfEdge 編集部が総合し、要点を再構成したものです(単独実機試打ではありません)。最終更新: 2025年モデル情報を含む。
- Srixon Z-Star golf ball review: Premium option with all the trimmings
- Ball Lab - Srixon Z-Star Ball Review - MyGolfSpy
- スリクソン Z-STAR ボール〈2025年〉 ダンロップ - レッスン
- Srixon Z-Star Diamond Golf Balls - Incredibly Balanced Z-Series ... - TGW
- Srixon Z Star : r/golf - Reddit
- Srixon Z-Star 7 & Z-Star XV 7 Golf Ball Review - TGW
- Srixon 2025 Z-Star Golf Ball Review
- Z-STAR Golf Balls (Prior Generation) - Dunlop Sports